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「……あのさ」
沈黙を破るように、彼が口を開いた。
「なに?」
少し上目遣いに、彼を見上げる。その目が可愛いと、何度も言われた。
「……最近、うちに無言電話がかかってきて」
そこで彼は言葉を止め、探るように私を見た。
私の身体の奥深いところで、何かが燃え始めている。
ふつふつとたぎるような感覚が、身体の中を流れ始めていた。
喉が渇く。灼けつくような喉を湿らせるために、私は水をひと口飲んだ。
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