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一ヶ月後、北京事務所で孝弘と祐樹は再会した。
「高橋さん、お疲れさまです。東京は暑かったでしょう」
「ええ、でもこっちも結構暑いんですね」
「夜は湿度ないから涼しくなりますけどね」
事務所内にはほかのスタッフもいて、二人は他人行儀なあいさつを交わした。
電話やメールでほぼ毎日やり取りはしていたが、顔を合わせるのはやはり違う。
うれしくて心臓がことこと踊り出すような気がする。
正面から目が合うと孝弘の目が切なげに細められて、祐樹の気持ちをかき乱した。
「準備室、こちらです」
小さな会議室が大連プロジェクトの準備室として使われているらしい。そこに入ってドアを閉めた途端、祐樹は孝弘にぎゅっと抱きしめられていた。
言葉を交わす間もなく、唇が重なった。あっという間に息まで奪われるような口づけになり、祐樹はくらくらとめまいがした。
短いけれど深く激しいキスを解いて、祐樹は力が入らない口調でささやいた。
「孝弘、ここじゃダメだよ」
「ごめん、ちょっと我慢できなくて、がっついた」
「ううん、おれもうれしかったけど」
「もう一回、キスだけさせて」
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