第1章

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海を走る 逃げるように 書き消すように 水面の波紋が足にまとわりつく 立ち止まっては飲み込まれてしまう それもいいのかもしれない 裸足の爪が赤かったから 珊瑚が生える 嗚呼、もう手遅れか 私の体は寄生されてしまった 白くなる 貝になる 掌からフジツボ 目が覚めた時は海中なんだろう 私のことをどうか トプン
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