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「おかえり」
目の前の彼女が笑顔でそう言う。
彼女の方向の日差しは眩しく感じた。
僕はずっとこの日を待っていた気がする。
5年前、僕は刑務所にぶち込まれた。
いつの間にか、知らない事件の犯人になっていたのだ。
僕の受けた刑罰は、懲役30年。
毎日冷たい壁にもたれ、固い床に横になっていた。僕の精神状況はぼろぼろだった。
それでも僕は彼女のことを忘れなかった。
彼女は定期的に手紙をくれた。
彼女は警察に何度も行き、もう一度調べてもらえるよう何度も頼んでくれた。
何度も面会に来てくれた。
僕は彼女には新たな道を歩いて欲しいと、何度も面会を断った。
そして彼女の顔を見ることなく3年が経過し
僕はそして、誤認逮捕として出所した。
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