第1章

3/3
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
アイスが欲しいなら素直に言えよ。 そんな言い方されたら、あげる気にならんぞ。 と、思う俺は器が小さいのか? A「いや…… やらねぇよ?」 B「!!!!」 A「そんな悲壮感満ちた顔されても……」 B「うぅ……」 やべっ!! 泣きそうじゃねぇか!! だ、だが……。 涙に屈する俺ではない。 A「な、泣いたってやらねぇぞ?」 B「よろしい 汝がその気なら、余にも考えがある」 A「なに?」 B「ここで余が悲鳴をあげれば、汝の立場が危うくなるであろう?」 A「ちょ……おまえ……!!」 B「見た目がよい女子に化ければ、事案の一つや2つを起こすのも容易なのだぞ?」 ん? 化ける? いや、そんな事より。 A「やれやれ 負けたよ」 B「む!!」 A「やるよ ほら」 根負けした俺は、アイスの片割れをその女の子にあげた。 すると、女の子は。 B「わーい ありがとー」 そう言って、俺の隣に座った。 物珍しそうに、しかし嬉しそうにアイスを食っていた。 ちゃんとお礼を言えるのには安心したよ。 A「そこまでして食いたかったのかよ したたかで強欲なやつだ まるで"狐"だな」
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!