背中だけ

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「えっろ…」 トロンとした表情で息を上げている遥を眺め、佐久間が呟く。 お互いの唾液で濡れた遥の唇をペロリと舐めて、耳許にもキスを落とす。 「そろそろ、意味、分かってきた?」 そう囁かれて、そう言えばそんな話だった。とぼんやりと思い出す。 「俺はこういう意味で、瀬能が好きだから。」 遥の髪を撫でながら、はっきりと告げる。 遥は言うべき言葉が見付からず、ただ佐久間を見つめることしか出来ない。 「俺が家に瀬能を呼ぶのも、瀬能に触ったりするのも、全部、こういう意味での接触だから。」 甘く、優しい声で、丁寧に遥に言い聞かせる。 「だから、俺の事、ちゃんと意識してて。」 佐久間の言葉がどんどん積み重なって、遥の容量が佐久間で埋まっていく。 「分かった?瀬能。」 真摯な顔で言われ、遥は頷くので精一杯だった。
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