207人が本棚に入れています
本棚に追加
「えっろ…」
トロンとした表情で息を上げている遥を眺め、佐久間が呟く。
お互いの唾液で濡れた遥の唇をペロリと舐めて、耳許にもキスを落とす。
「そろそろ、意味、分かってきた?」
そう囁かれて、そう言えばそんな話だった。とぼんやりと思い出す。
「俺はこういう意味で、瀬能が好きだから。」
遥の髪を撫でながら、はっきりと告げる。
遥は言うべき言葉が見付からず、ただ佐久間を見つめることしか出来ない。
「俺が家に瀬能を呼ぶのも、瀬能に触ったりするのも、全部、こういう意味での接触だから。」
甘く、優しい声で、丁寧に遥に言い聞かせる。
「だから、俺の事、ちゃんと意識してて。」
佐久間の言葉がどんどん積み重なって、遥の容量が佐久間で埋まっていく。
「分かった?瀬能。」
真摯な顔で言われ、遥は頷くので精一杯だった。
最初のコメントを投稿しよう!