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「覚えていたらね」
「はぁー。
じゃあ、私はこっちだから」
「バイバーイ」
呆れたようなため息を吐いてリカは帰った。
私も今日はもう帰ろうと思い帰路についた。
次の日。
私は、1人で散歩したい気分になり外出した。
リカには、1人であまり出歩かないようにと何回も言われたがこればかりは譲れない。
私も1人で歩きたい時くらいあるのだ。
まぁ、それが大方凶となるのだが・・・。
そう思っていた矢先、不吉を呼ぶものが目の前に現れた。
「また会ったな」
「うわ・・・」
私は明らかに嫌な顔を浮かべた。
現れたのは昨日の貴族。
あと、数人の護衛兵。
そして、何故か私を取り囲んでいる。
「何のご用でしょうか」
どう考えてもただの通りすがりだとは思えない。
「君を私の屋敷に招待してやる。
光栄に思うがいい」
上から目線だ。
私のとても嫌いな奴。
「遠慮すると言ったら?」
「ふん。
君に拒否権などありはしない。
連れて行け」
訂正する。
100パーセント嫌いな奴だ。
私は、袖からロープを取り出し真上にあった街灯に巻きつけ、勢いよく飛び上がった。
街灯の上に乗り、ロープを外す。
「貴族というのは誘拐する家柄なんですか?」
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