キツネと私

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「な‥‥‥なに?」 炎天下の中 アイス食べたーい なんて、思いながら 週に1度は訪れる 祖父が神主を務める神社 学校帰りここに立ち寄った私の目の前に 突如として現れた 美味しそうなソーダアイス 揺れる 揺れる 目の前で 私に食べろと言わんばかりに そのとき、祖父の飼い猫のシロが あくびをしながら 呑気な様子で私の隣を素通りしていった いつもはやめてと言っても 甘えてくるくせに 今日のシロは知らんふりだった 私は知らなかったんだ 隣にキツネがいたなんて キツネは制服を着た男の子に姿を変え 私の隣に座って 私にソーダアイスを差し出していたんだ 神社から帰る間際 祖父に聞いた話 私は結局 ソーダアイスを美味しく頂いた
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