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「コノヤロウ!出せ!ここから出せっつってんだよ!」
コンクリートの建物にガンガンと金属を蹴る音がする。
「所長、サンプルが暴れています。静かにさせましょうか?」
「ああ、そうだな。ちょっと鎮静剤でも打っておくか。」
そう言いつつ、二人の男が頑丈な扉に近づいて行った。
「静かにしなさい。でないと、痛い目に遭うよ?」
研究員のような白衣を着た男がドアの外で脅してきた。
「上等だよ、やれるもんならやってみろよ。」
ビプ男の怒りは頂点に達した。その瞬間、男の白衣は青い炎に包まれた。
「ぎゃあ!」
男は暴れながら、床を転がりまわり、火を消した。
所長と言われた男も驚いて、その様子を見ていた。
「ふん、ざまあみろ。俺は本当の悪党には容赦しねえからな。」
「あいつは危険だ。要注意だな。今度近づく時には麻酔ガスで眠らせなくては。」
所長は、自分の頭の中だけでそう呟いた。研究員は手に軽いやけどを負った。
「おじさん、乱暴はしないで。」
ビプ男の頭の中に直接、少年の声で話しかけてきた。
「なんだ!誰だ、お前!」
ビプ男は叫んだ。
「しっ、静かに。僕とは思念だけで話ができるから。黙って話を聞いて。」
少年はそう懇願する。
「お前か!俺をこんなところに閉じ込めたのは!」
それでもなお、ビプ男は叫ぶ。
「大きな声出さないで。お願い。それじゃ僕はおじさんたちを助けられなくなるよ。お願い、黙って僕の話を聞いて。」
少年はなおも懇願してきた。
「あのなぁ、さっきからおじさん、おじさんって。俺はまだ29だからな!で、お前は誰なんだ。」
ようやくビプ男は思念だけで話しかけた。
「僕はユウヤ。ここはESP研究所だよ。おじ・・・いや、お兄さん達はあの異臭騒ぎの時からこの団体にずっと監視されていたんだ。」
ビプ男は、この団体の正体、何故自分達がここに監禁されたか、一部始終をユウヤから聞いた。
「冗談じゃねえ。こいつら頭おかしいんじゃねえか?こんなのテロリストと何が違うんだ。」
「わかってる。僕もおかしいと思っている。狂ってると思う。だから、お願い。お兄さんたちの力でこの団体を告発してほしいの。しばらく僕に協力して。」
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