幽霊とお稲荷様

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肉体から離れた僕は行き場を無くしていた。 御社に座り途方にくれる。 生きていた頃を懐かしみ、階段の下に有る店から拝借したアイスを取り出す。 (夏になるとよく食ったっけ、これ。) B「ほう、珍しい来客が珍しいものを手にしとるの。」 僕の隣に腰掛ける。 A「うわっ!!」 僕はアイスを落としそうになった。 A「誰だよ、あんた。」 B「フム、お主の持つ其奴をくれたら、願いを叶えようぞ。」 A「答えになってないじゃん。」 「どなたと心得るニャ。稲荷神様ニャるぞ。  失礼千万ニャ。」 代わりに猫が答える。 A「格好がおかしいだろ。」 「わざわざ、貴様の世界に合わせてくれたニャ。  礼を言うニャ。」 A「頼んでないし。」 (でも、可愛い子だなぁ。どうせ拝借した物だ。まぁいいか。) 貰えるとは思わなかったのか驚くと、嬉しそうにかぶり付いた。 本当にこれで願い叶うのか?
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