前話 傾界の美少女

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私の学校の全校生徒数は689名である。その内の男子の割合が338名であり、その内の198名が真島会に登録しているのである。さらに驚くべき事に、その198名全ての会員が、私と同じように彼女に恋い焦がれているのだ。当然のごとく私も会員だ。 ここまで行けば、嫌でも真島翔恋という少女の美貌が伝わるのではないだろうか。 そして最後に彼女の性格についての解説をしよう。 大事なのは、外見ではなく中身という言葉があるが、より大事なのは、外見+中身の数値であると私は思う。 彼女が完璧にして魅力的な美少女である理由は、その数値が圧倒的に高いからだ。 彼女の性格は、菩薩も真っ青になる程の素晴らしさで、天使も涙を流すほどだろう。 美と嫉妬は一連卓上である。 美しさを持つものは他者に嫉妬される運命であるが、彼女にそれは存在しない。 なぜなら、彼女の心が美しいからだ。 嫉妬とは人間の最も醜い感情の一つだが、 彼女の心の美しさは、人間の誰にでもある醜さをも洗い流し清めてしまうだろう。 外見と中身の美しさを極めた彼女は、正に傾国の美女、否「傾界の美少女」である 少々、短いかもしれないがこの物語の主人公のちょっとした紹介はこのぐらいにしておこう。 因みに、彼女も私も華の高校2年生、青春真っ盛りである。 そろそろ物語に入ろうと思うのだが、これは「私の恋が叶う」感動的なラブストーリーではない事を先に記しておこう。 私は結局失恋するし、彼女は別の男と恋に落ちる。しかし、バッドエンドと言われると別段そんな事は無いだろう。 幸せなんて恋の結果が決めるものでは無いのだから。 では、本題に入ろう。 私と197人が失恋し、無様でも彼女の為に闘った。我らの思春期戦争記を、、 語り部は基本「真島会」創設者にして会員No.1である。(私)こと橋中 総太(ハシナカ ソウタ)が務める。 どうぞ、お楽しみあれ
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