いつもいっしょずっといっしょ

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 ***** たったったったったった いつもの元気な足音が近づいてくる。 ぼくはぴくりと、まっ黒い耳をそばだてて、庭先でうーんと伸びをする。 ばたん! 元気にとびらを開く音。 「ただいまー!」 ようくんが帰ってきた! おかえりなさい、ようくん! ぼくはぱたぱたと、先っぽだけ白いしっぽを振って、ようくんの方へとかけていく。 いつものようにとびつくと、ようくんはぼくのくつしたをはいたような白い足をぎゅっとにぎってくれた。 「ただいま、やっくん。さあ、さんぽにいこうか!」 ようくんは学校から帰ると、宿題も何もかもほっぱり出して、必ずぼくをさんぽへ連れていってくれる。 それがぼくたちの日課だった。 ふたりきりの時もあれば、途中でようくんのともだちと合流する時もある。 ぼくたちは必ずいつもいっしょだった。
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