いつもいっしょずっといっしょ

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その日は、いつもの時間になってもようくんの足音が聞こえてこなかった。 ぼくは何度も何度もまっ黒い耳をそばだててみた。 どたどたどたどたどた いつもとちがう、せわしない物音がひびく。 ぼくにはなにもいわず、おかあさんがあわてて玄関から出て行くのが見えた。 どうしたんだろう。なにがあったんだろう。 ぼくのまっ白い毛の奥にある心臓がどくん、と鳴った。 その日、ようくんは帰ってこなかった。 次の日も。また次の日も。
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