いつもいっしょずっといっしょ

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一週間がたって、おとうさんたちはぼくを車に乗せて家を出た。 まっ白い大きな建物の地下に入っていくと、おとうさんたちはぼくを車の中において出ていった。 わけがわからずに、ぼくはしばらくの間じっと車の中でまっていた。 「やっくん!」 聞き覚えのある声に、ぼくのまっ黒い耳がぴくりとそばだった。 ようくんだ! ようくん! ようくん! ぼくはうれしくなって、ようくんにとびつこうとした。 がつん。 車のまどガラスが、ぼくとようくんのじゃまをする。 ようくんもまどガラスに手をついて、ぼくにさわりたいとおとうさんにたのみこんでいる。 けれど、おとうさんは首をたてにふってはくれなかった。
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