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ぱりんとガラスの割れる音がした。君がコップを落としたのだ。
君は曖昧な笑みを浮かべていたけど、心の中では焦燥感と恐怖が渦巻いているのを僕は知っている。
もう、コップすらまともに持っていられなくなってしまった。
「僕が片付けるから、君は座ってて」
そう言うと、君は一瞬泣きそうな顔をして、でも無理矢理笑顔を作る。
ありがとうと言った君の声は震えていた。
君と過ごせる時間は、あと少し。
それはそれとして世界はダムの底に沈みました。
お題:ガラス
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