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「さあ、出てお行き。ここはお前のいるところではないよ」
あらゆる全てに恐れられ蔑まれている女性は、扉を指さして冷たく言い放ちました。
けれど、
「なぜそれをあなたが決めるのです? 自分の居場所は自分で決めます。そして私はあなたの隣にいると決めました」
彼は頑として受け入れようとしませんでした。
「……どうしてっ!」
「それはもちろん」
彼は女性に歩み寄ると、その長い髪を恭しく一房すくい上げ、それに口づけを落としました。そうして上目遣いで女性を見つめて告げます。
「私の気持ちなど、とっくにご存じでしょう?」
女性は真っ赤になるばかりで何も言えませんでした。
それはそれとして世界はダムの底に沈みました。
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