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止まない雨はないと言うけれど、きっとこの雨は止まないだろう。だって神子様がそう望まれたから。
神子様は言った。
「降り止まぬ雨、大地を満たせ」
ただ神子であるというだけで、神子様はすべてを奪われた。すべてが憎かった哀れな神子様は、だからすべてを雨に沈めようとしたのだ。呪詛は神に届き、言葉の通りに大地を雨で満たした。
いくら神子であっても、許されないことをした神子様は、雨を止めるために殺された。
それでも、雨は止まない。
それはそれとして世界はダムの底に沈みました。
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