にゃん恋

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集会にいた猫たちがケラケラと笑う。 「恋をしたから旅に出たって、人間のいうしんこんりょこうかい?」 チビの顔も真っ赤っか。 ハナが、チビの鼻に自分の鼻をちょんと付けた。 「あたしはチビが好き。あたしじゃダメ?」 チビは、ブンブンと首を横に振った。 「ハナなら……、ぜんぜんいい!ハナがいい!」 それから僕らは、僕らの町の隣の隣の町にしんこんりょこうにいった。 恋をした。だから、旅に出た。 それは僕もハナもおんなじだった。 だいじなものは、意外と近くにある。 それは、誰でもおんなじかもしれないよ。 おしまい
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