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【CHERRY 〈one night call〉】 = memory 4 =
『オハヨーございまあ~す!』
咄嗟に振り返った先には、私と同じくらいの身長で、私と同じくらいの年齢で、私よりかなりかわいいのに、私より完璧なお化粧をした、私より胸の大きなオンナの子(?)が立っていた。
『なに?新人?』
彼女はニコニコ笑いながら、でもちょっと意地悪そうな目をして近づいてくる。
「違います!!オンナですから!」
私は全力で否定した。
『フ~ン・・・』
彼女は、よりジロジロとイジワルそうに私を見た。
『なんでいるの?』
絶対、女子に見えるけど、オカマさんなのかな?
ゴリって人が、ソファーに座ったまま、また新聞を広げた。
『彩の代わりだって。Noonで歌うんだって。』
かわいこちゃんは、ああ~と言った。
『彩のヒトミゴクウねえ~。あのオンナもやり手だよねぇ。自分より下手なヤツ置いといて自分の席確保して。他の子に席取られないためでしょう。自分本位のずるいオンナ!』
ちょっとむっとした。
「彩さんは、歌ったことのない私に経験するチャンスをくれたんです!私は彩さんの夢を応援したいだけです!」
大好きな先輩のことを悪く言われた気がして、ちょっと声が大きくなった。
かわいこちゃんは、ちょっとびっくりした顔になった。
と、突然、ゴリっていう人がソファーから立ち上がって、近づいてきた。
無愛想な表情のまま、読んでいた新聞をわたされた。英字新聞?インテリオカマさん!?
『これ、読んでみて。』
英語の音読なんて、高校生以来です。しかも英字新聞読んだことありません。
しかも、私の高校の英語の先生の発音はめちゃくちゃでした・・と、言える雰囲気ではない。仕方なく受け取ってページを開いた。めまいがします。
中学・高校と、もっとちゃんと英語を勉強しておけば良かった・・という後悔は何度もしているけれど、こんなに強烈に感じたのは初めてですって気持ちが丸見えのたどたどしい私の音読を、周りのみんなが失笑していた。
『お話にならないじゃない・・・あの、オバカの彩だってもう少しマシだったわよ。』
ゴリさんは、あきれた顔で私を見た。泣きそうだよ。
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