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「ほら、お駄賃だ」
「え、いいの!?」
「早く食えよ、融けるぞ」
「ア、アァイスだ―。さ、3年ぶり」
「お、おまえ、アイス食ってないの?」
「食べたことあるよ、3年前と6年前に」
「お前んとこ貧乏なの?」
「ううん。畑あるし」
「そ、そうか農家なのか」
「うん。夜にね、前のスイカ畑にスイカとりに行くんだっ!」
「夜?そこ、お前んとこの畑だよなっ!?」
「うちの前の畑だよ?秋にはお芋も収穫できるし」
「そ、そうか…。で、その畑はお前の親の畑だよ…な?」
「親…いないよ。2人とも死んじゃった」
「そ、それは悪かったな…。じゃあ、お前のお爺さんか誰かのか?」
「誰もいないよ。私一人で住んでるんだもん」
「えっ!?あ、アイス融けるぞ!」
「うん(ペロペロ)」
「で、あれか、自分ちに一人ってわけか…」
「ううん。違うよ」
「はぁーっ。そうか、他に誰かいるのかっ!?」
「ううん。自分の家じゃないもん」
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