【始動編・ゲームの世界が壊れる刻・第四章】

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然も、その二人の会話を肯定する様に、美術館と博物館の間に在る丸い噴水の所へ。 いきなりワープでもして来たかの様な現れ方で、数名の男女が出現する。 「ねぇ、真夜中に何よ」 「今夜の0時から、美術館で新人画家のセレクト展覧会を遣るって言っただろう?」 「そうよ、私達の誰かの絵が、もしかしたら選ばれてるかもっ」 「うわっ、それは是非に確かめないとな」 「でも、不評だった絵って、3時間で消えるんでしょう?」 「だ・か・ら、3時間以上保つか、調べるんだよ」 「え゛ーっ、3時間以上って、朝方に成るわよっ」 「大丈夫、スリーププレイモードにすれば、身体は寝てるから。 記憶だけ残る」 「うわ~、人気が無いなら、5秒で消えて欲しいわ」 その会話や背格好や年齢を予想すると、高校生か大学生ぐらいの集団だ。 日本の寺院や仏閣建築様式の建物の方に、ワイワイ言い合いながら行く。 これが、〔HEAVEN'S‐DOOR〕の内部なのか。 さて、この隣には、大・中・小の音楽堂が在る。 大は、野外音楽堂だが。 中と小は、東屋の様な壁の無い造りだ。 大野外音楽堂では、有名アーティストのコラボコンサートが、オールナイトで行われている。 然し、その音は、隣り合わせる他の場所には、囁き程度にも聞こえて無い。 確かに、現実では有り得ないことが、此処では可能ならしい。 では、この公園の外側は、一体どうなっているのか。 公園の外郭には、公園を一周する遊歩道が有り。 その遊歩道に沿う形で、外堀が沿う。 その外堀に、遊歩道から掛かる橋を渡った先には、東西南北、斜め北東から南西から、様々な世界の街並みが存在していた。 例えば、東側には6車線道路の様な広い歩道を挟んで、新宿駅と渋谷駅が向かい合って存在する。 奇妙な光景だが 広い歩道には、中央にだけ路面電車が走る。 この二駅の前を行き過ぎると、次は秋葉原と東京駅が向かい合っていた。 この日本エリアは、東側の一帯を全て埋め尽くし。 その歩道の遥か先には、立派な城に向かって江戸の街並みまで再現されている。 一方、北東に伸びる道路は、まるでサファリパークか。 広野と山脈と点在する大自然の中を行き。 公園が近い辺りは、現実の世界の様々な気候に合った動植物が見れるのだが。 奥へ進めば進むほどに、絶滅した種が目立って、その先は古生物や恐竜が目立つ。 地球の生物史を逆行して見れる。
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