【始動編・ゲームの世界が壊れる刻・第四章】

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[REAL TIME SCENE.‐狙い目‐] 其処は、あの薄暗いコントロールルーム。 皇輝や佳織が、メフィストゥと遭遇している事を知りながらも。 その様子を傍観する、司令席のインテリな風貌をした中年男性を始めに。 何らかの計画に邁進すべく、データの集積や経過の観察にしか動かないスタッフ達が居る場所だ。 やはり目を惹く、ビルに設置される大きな街頭モニターの様な大画面。 その最前列で接するスタッフの中に。 蒼いスーツを着て、何処か機械的と云うか、作業をするだけ・・、と云う感じの美人女性が居て。 「今、日付が代わって、午前2時58分。 ターゲット、そろそろ第三ワールドをクリアします。 これにて、試験的な観察を終了します」 と、耳に付けたマイクに云う。 すると、彼女の後ろに幾重にも並ぶ、半円形のテーブル席に就くスタッフ達が反応する。 男性スタッフの一人が。 「観察終了。 ターゲットをテストプレイヤーと認識。 横浜に在る〔ボックス〕仮想空間へ移行し、〔HEAVEN'S‐DOOR‐SYSTEM〕の経過観察を開始します」 彼の連絡に、女性スタッフの一人が反応する。 「ターゲットが第三ワールドクリアと同時に、ボックスへ転送了解。 全て、準備は万端です。 ‘HEAVEN'S‐DOOR‐SYSTEM’とリンクした、‘スーパーゲームデータ’のテストも完了」 すると、また蒼いスーツスカートに身を包む美女が。 「‘ボックス’へ移行と同時に、ダミープロジェクトも、‘α’から‘β’へ移行します」 この命令の様な報告で、別の席に座る数名のスタッフが忙しく手を動かし。 「ダミープロジェクトの変更を了解。 ゲームデータの情報を、ユーザーサイトに流します。 ‘掲示板’や‘コミュデータ’に、随時送ります」 広いドーム状のこのフロア内で、ゲームを進行する皇輝と佳織に合わせ。 何やら、計画が進行しているらしい。 そして…。 大きなモニターから遠く十メートルほど離れた。 小さなモニター群の外れでは、別のユーザーの進行状況や総合的なデータを見てる、若い女性スタッフが居る。 だが、その彼女が見る映像では、皇輝達と同じ第三ワールドに居たプレイヤーが。 何故か、雑居ビルの狭い空間を行き来する、違う内容をプレイしていた。 然も、コミュの人数が、3人で…。
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