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「何だ、これ?」
オレ、相良勇人は目の前にある大きな門を見上げながら、驚きのあまり口を開けてポカーンとしていた。
ここは山奥にある全寮制の男子校「聖林高校」
今日ここにオレは転入してきた。しかも五月という中途半端な時期・・・・。
こうなったのには理由があった。
オレは、ちゃんと地元の高校に通う予定だった。
いや、通っていた・・数日だった、けど・・。
それなりに友達もできて、さあこれからというときに
母が爆弾発言をした・・・・。
その日、オレは新しい友達とカラオケに行った。
楽しかった。
だから、いい気分で家に帰ってきた。
リビングで母が見知らぬ男と抱き合っていた。
何だ、これ?・・・・・・・・・・・・・。
バチッと、男と目があった。
「な、なにしていやがるっ!」
男を母から引き離して、顔面にパンチを一発。
腹にもくらわしたやった。
大きな音をたてて、イスが倒れ
テーブルにあったコーヒーカップが空を飛びカーペットに染みを作った。
「うっ・・・・」
うめき声をあげて倒れる男にどういうことか母が慌てて駆け寄る。
「あなたぁ!大丈夫っーーーー?」
「・・・・・・・・はっ?」
『あなた』と聞いて固まるオレ・・。
何それ、どういうこと?
母に支えられて起き上がる男に見覚えがあるようなないような・・・?
誰だっけ?う~ん・・思い出せない。
「え・・・・と、どちら様?」
なんて間抜けな質問をしたら、母におもいっきり睨まれた。
「何言ってるの!お父さんでしょっ!!」
「え?・・・・・・・・・・・・」
『お父さん・・・・?』
お父さんってことは・・母さん再婚するつもりなのか?
いや、別に再婚に反対するとかじゃないけど・・・
これって、謝ったほうがいいのか、な?
そうだな・・・・・一応謝っておこう。
そう思って頭を下げようとしたら
「ゆうとおおおっーーーっ!会いたかったよおーーーーーー!!」
といきなり抱き着かれた!
「え、ええ?ち、ちょ・・ちょっとっ!・・・」
ビックリして固まるがぎゅうぎゅうに抱き着かれて頬ずりまでされて流石にキレて
頭突きをかましてしまった・・。
「あ・・・・」
気がついたら時すでに遅しってやつで
おでこに派手なたんこぶをつくって
男はのびていた・・・。
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