5.風紀委員

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「で、何があったか話せ」 「は、はい」 オレはさっきあった出来事を包み隠さずこの人に話した。 「回し蹴りって・・・何か格闘技でもしていたのか?」 「えーと、空手と柔道を少し・・・今は全くしていませんが・・・」 「そうか・・」 そう言った後、何やら考えこんでいたが オレの取り調べは終わったようで最初の部屋に戻されると 次に海斗、チャラオ、早瀬の順番で取り調べは終わった。 終わったはずなのに、オレはさっきとは違う部屋に通された。 そこは畳があって、一目で訓練室だとわかった。 「あの、何でオレだけここに?」 「相良、オレと組手をしろ」 「え、組手ですか?」 何を考えているのかわからないが 久しぶりに汗を流すのもいいかも 「イヤか?」 「いいですよ。でも、その前に先輩の名前を聞いてもいいですか」 少し目を見開いて、クスリと笑った。 「オレは高坂理人だ」 「よろしくお願いします。高坂先輩」 学ランを脱ぎ、シャツの袖をまくり裾をパンツから出して準備万端。 おっと、靴下も脱がないと滑って危ないからね。 畳の真ん中で向かい合ってオレは構えた。 繰り出される拳を避けながら確信する この人は、強い!と 久しぶりにワクワクするこの感じ・・・ オレは本気になって、先輩の腹に一発 そして、回し蹴りを横っ腹に・・・決まったと思ったが それを待っていたのか、うまくかわされてしまい その隙をつかれてオレが蹴りを受けてしまった。 「そこまでだ・・・」
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