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いつの間にか他の風紀委員がオレたちの組手を見学していたみたいだ。
「お前、あの相良勇人か?」
「何だ、知っているのか?」
「こいつ、昨年の柔道の全国中学生チャンピオンですよ」
「へえ~この可愛い子が?」
「どうりで強いはずだ」
「で、何で相良がここに?」
「食堂で問題を起こしたからだ」
「問題って?」
「会計に回し蹴りをくらわした」
「へっ?回し蹴り・・・」
事情を知らなった奴が大笑いした。
そんなに笑うことか?
あの状況でオレはそれしかなかったんだよっ!
「アハハっ!ああ可笑しい!」
「それで、高坂さんはどうしたいんですか?」
オレに真っすぐな視線を送る高坂さんは
爆弾発言をぶちかました。
「相良を風紀委員に迎えたい」
「・・・・へっ?」
「ええええええーーーーーーーーっ!!!」
その場にいた全員が驚くのも無理はないと思う。
オレだって、寝耳に水だ。
「え、ちょっと待ってください。何でオレが風紀委員に?」
「何故かって言ったら、ここが人で不足だからだ。それに、お前はケンカも強い」
「そんな理由で?」
「返事は急がなくていい。」
急がなくてもいいと言われてもオレはここで目立つ行動はしたくない。
だからすぐにでも断りたいのが本音だが
高坂先輩は有無を言わせずオレを風紀委員室から追い出した。
「ああぁ~何でこんなことに・・・」
学校生活初日からこんなことになるなんて
誰が予想しただろうか・・・
こんなんで兄さんと会えるんだろうか?
それに、理事長にもまだ会えていない
これから先どうなるんだろう?
オレは、何か面倒くさいことに巻き込まれたことに
深いため息をついたのだった。
はあ~帰りたい・・・・。
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