2482人が本棚に入れています
本棚に追加
「えっ!ちょっと神谷くん?」
慌てて駆け寄ると嬉しそうな顔をして意識のない神谷。
ただ意識がないだけだと安心したものの気が付けば周りの生徒たちから熱い視線。
「か、会長・・」
「早瀬さま・・?」
「ウソ・・」
「かわいい・・」
など口々に呟いたと思ったら同じようにバタバタと倒れて行く。
「え、ええーー!な、何・・何で・・?」
混乱する早瀬の元に風紀委員が駆けつけたのはその数分後。
しかも、風紀委員長に
「何だその凶悪なウサギは?」
とーーー・・
暴言でもホメ言葉でない
何とも言えない言葉を投げかけられたのだった。
「・・・・・・」
何で、私が・・・。
『自分は悪くない』そう言いたかったがこの惨状を見ればそうは言えず、ただ意識のない神谷に何とも言えない気持ちを抱いたのは確かだった。
駆け寄った時に微かに聞こえた言葉
「かわいい・・」
確かにそう呟いた。
その言葉に早瀬はドキッとしたのだ。
普段から『キレイです』とか『かわいい』とか聞きなれているはずなのに何で彼の言葉が気になるのか胸が熱くなるのかわからなかった。
そして保健室で目を覚ました神谷もまた早瀬のことで頭がいっぱいになっていた。
これは新たな『恋の予感』
それに気づくのは直ぐのことーーー・・。
最初のコメントを投稿しよう!