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その瞬間、僕は絵に惚れてしまっていた。
正確に言えば、絵に描かれている女性に一目惚れをしていたのだ。
絵のタイトルは〈確かに、恋だったー課外授業ー〉
タイトルだけ聞けば安っぽいAVのタイトルみたいだが、その絵には人を惹きつけるだけの力があり、立ち止まらずにはいられない存在感を放っていた。
そして絵の女性は綺麗だった。
上半身は白いシーツで隠し、スカートはプリーツの入った制服。
顔の作りは頬が痩けていてほんのりと桃色に染まっている。
口元は弧を綺麗に描き、目尻は蕩けるように下がり微笑む。
好意を真っ直ぐに向けられている先には、この絵を描いた人物がいるのだろう。
でなければ、、こんなほぼ裸姿でモデルにはなろうと思わないはずだ。
僕は制服のスカートが僕の通っている学校のものに似ているだと気付く。
うちの学校に通っている誰かがモデルなのか?
その考えは歓喜を落胆の色に染める。
また、手が届くのに叶わないのか。
初恋は甘く苦かった。
相手は中学のときの女友達。
天真爛漫を絵に描いたようにクルクルと表情が変わる女の子。
感情を表に出すことが苦手な僕とは正反対の女の子。
そして、友達の彼女ーー。
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