確かに、恋だった。ー火曜日の少年ー

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「うん、聖のことバレたし。まぁ隠す気もなかったんだけど」 セックスの後にふとエリナが呟く。 長い髪をクシャクシャと掻き乱しながら、あっさりとエリナは言う。 エリナの言葉に僕は動揺していた。 ずっとこんなグダグダな関係が続くと思ってた。 「そう……」 僕は散らかったパンツや、服を身につけてなんとなくそれしか言えなかった。 改めて考えるとどこで狂ったのか……。 よくわからない。 エリナのことは好きだ、と思う。 でもエリナは僕のことを好きじゃなかった。 でもそれだけ。どうしていいのかわからず、進学を機にエリナとは縁が切れた。 そう考えていたのは僕だけだった。 進学で乗る電車の反対側の路線の電車を待つエリナを見かけたことがある。 その瞬間、高鳴る鼓動。 どうにもならない感情を僕は持て余していることに気付いた。 月日が経てば忘れると思っていた。 エリナのプックリとした唇も。 手のひらにおさまるサイズの胸も。 全て僕のもののハズ……。 そんな邪な想いが僕の体を駆け巡る。 それも何度かやりすごぜば慣れた矢先のことだった。 「聖だよねっ?やっぱり聖だっ!」 お願いだからその綿アメみたいな甘い声で僕を呼ばないでほしい。 振り向きたい衝動抑え切れない。
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