確かに、恋だった。ー火曜日の少年ー

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「そもそもさ、いつエリが聖のこと好きって言った?たまにはね、聖の下手なセックスが欲しくなる時があるって言うの?それも飽きたし」 「僕のこと、馬鹿にしてる?」 振り向いたエリナは今まで見たどの顔よりも女で、1番冷たい瞳をしていた。 僕は怯んでいろいろ頭に浮かんでいた言葉も感情も消え失せてしまった。 「はぁ?エリのことバカにしてるのはアンタでしょっ?このクソメガネっ、ちょっと勉強できるからっていい気になって、彼氏でも気取っちゃった?ホント、聖ってオモシロイっ」 ケタケタ笑いながらエリナは僕の元から消えた。 それがエリナとの最期だった。 初恋は苦く、少しだけ甘かったーー。 また僕は恋をした。 恋した相手は同じクラスメイトだった。 エリナみたいに明るくて元気が良くて。 でもエリナよりも柔らかくて傷付きやすい。 そんな青井湊に僕は恋をした。 蒼井湊には好きな相手がいた。 “先生“と恋慕う相手がーー。 「なぁ〜んだこれ?頭がクラクラするよ」 図書館で勉強していた僕の前にいきなり嵐のように現れて、1も2もなくメガネを奪うようなとんでもない女が好き……。 ありえない。 だが、胸の鼓動は止まる気配を知らない。 この先……、どうなるのか僕は知らない。 でもいつか、青井さんが僕の前で花のように笑ってくれる日が来ればいい……。 end
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