狂おしきこの世界

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狂おしきこの世界

狂おしきこの世界を聞きながら セオリーの崩れる瞬間を待つ 甘美な惰情にそそのかされ 復興の時代に流行った言い回しに 背中をそっと預けた 後ろ側の髪だけ風が当たる 心に宿ったメロディと 右手のシビレがシンクロし 喜怒哀楽ではない何かを失った 体内を駆け巡るテロリストが 言葉を畳かけながら 失われつつある信奉を引き寄せる 違う何かが始まったらしい 窓の鍵を開けながら 周りを満たす物体が 自分の世界を透過 何もしなくたって 生まれる時間は散っていく それでも何かを思い付き 何かを忘れていくのだろう ¶グルーヴァーズ 「狂おしきこの世界」
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