3人が本棚に入れています
本棚に追加
狂おしきこの世界
狂おしきこの世界を聞きながら
セオリーの崩れる瞬間を待つ
甘美な惰情にそそのかされ
復興の時代に流行った言い回しに
背中をそっと預けた
後ろ側の髪だけ風が当たる
心に宿ったメロディと
右手のシビレがシンクロし
喜怒哀楽ではない何かを失った
体内を駆け巡るテロリストが
言葉を畳かけながら
失われつつある信奉を引き寄せる
違う何かが始まったらしい
窓の鍵を開けながら
周りを満たす物体が
自分の世界を透過
何もしなくたって
生まれる時間は散っていく
それでも何かを思い付き
何かを忘れていくのだろう
¶グルーヴァーズ 「狂おしきこの世界」
最初のコメントを投稿しよう!