少年狂奏曲

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少年狂奏曲

少年狂奏曲を聞きながら 右手のハーモニカをイメージする ナイフと同じ光を放つそれと 苛立ちと葛藤とで腑に落ちないまま 今よりマシな未来を描いてた 羽ばたく事のない翼を引き摺りながら ここから出してくれと叫んだけど 恵まれた環境には目もくれなかった 捧げよう そして殺めよう 挑戦状をバラまく行為に歯止めは効かず ナイフを包丁に持ち変えたけど 包容を求める甘えた感情は消えず 晴れない気持ちだけを抱えてた そしてエグられる感覚 もっともっと、もっともっと 多発する豹変にほだされて 受けたとばっちりに逆襲 この場は桃源郷と言う声に耳を塞ぎ 自分は尊い存在なんだと 思い込む努力をした 鈍く光るものを右手に持って 覚めない夢から覚める時を恐れてた 不条理に憂いた若さに溺れ 置かれた世界の色に染まる 見たくない未来が近づきつつあるのを 衝動だけが気付いていたから 拒絶反応が激しくなっていた 目をつむったまま 振り向かないように振り返る 虚ろな気持ちが加速する感じがした時 右手にはハーモニカがあった ¶ダイダラボッチ 「少年狂奏曲」
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