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「よぉ!もぅそんな時間か」
グレンが腰に手を当て、シュテルのいるほうを見上げる。
「シュテルさんのお出迎えですか?」
「ええ。グレンがこの時間に来るよう指定したんですよ」
シオンとカルロがのほほんと会話している真横へ、ストンとシュテルが降りてきた。
スッとカルロの腕がシオンとシュテルの間に入る。
「降りた所がたまたまココだっただけデショ!他意はナイですヨ?!」
「カルロさん、殺気も何も感じないので平気ですよ」
シオンも少し苦笑う。
「それは解っていますが、女性の目の前にというのはいささか頂けません」
腕を降ろしながら、少し申し訳なさそうにカルロが眉を下げる。
「はいはい!とっとと行くぞー。シュテルの要求聞いてやる約束だ。ソレイユはどこに居る?」
「ソレイユ様なら応接室でお待ち頂いてる」
「ん、りょーかい。シオンも来る?」
カルロに軽く返事した後、グレンはクルリとシオンを振り返る。
「同席して良いのですか?」
「見届け人くらいで同席してみる?ソレイユも別に何も言わないだろうし。シオン助けるのにコイツ居なきゃホントにヤバかったしね」
「では是非!」
自分の正体が何となくバレているような気もするが、改めて礼を言うべきであると考えシオンは同席を願い出た。
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