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カルロの言葉にシュテルに視線が向く。
「天気の心配がないなら商隊のようにテント張っていいと思いマスけど、オレがいつも寝るのはコッチ側デス」
そう言ってシュテルは平原側ではなく、反対側の森を指した。
「確かにだだっ広い所だと姫様もくつろげないからな。森の中のほうが気配も気付きやすい」
カルロの言葉にグレンもリカも不満はないようだ。
「姫様はそれでよろしいですか?」
「はい、私はどこでも」
「じゃ、こっちデース」
リカの問に返事をすれば、シュテルは踵を返してザクザクと道のない森の中へ入っていく。
道なき道を進めば少し奥まったところに大きな岩が鎮座したいた。
雨しのげるものではないが、その回りは少し開けていてテントも張れそうだ。
「いいじゃん」
そう言うとグレンはウェストバッグからテントを取り出し、カルロとシュテルと岩肌にさっさとテントを張りはじめる。
「では、薪になる枝を拾ってきます」
「女2人だからあまり遠くへ行くなよ」
グレンの忠告に頷いて、シオンとリカは2人で少し森の奥へと進む。
先日の嵐で倒された木々も多いため、探す必要もなく腕いっぱいに薪を拾うことが出来た。
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