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「グレンです、失礼致します」
「ああ」
応接室の扉を叩き、声を掛ければソレイユの短い返事が返ってきた。
それを合図にグレン、シオン、リカ、シュテル、カルロが部屋に入る。
カルロがしっかりドアを閉め、それを見たリカが防音結界を張った。
「外の声は聞こえます」
「ああ、それでいい」
グレンがソレイユの隣へ並ぶと、シュテルは最上級の礼で名を名乗った。
「シュテル・セト、参りマシタ。この度法律違反の奴隷商達を取り締まってくださいマシタ事、代表の父に代わり御礼申し上げマス」
「顔をあげよ。この度は貴殿の働きには大いに感謝する。早速だが、望みを聞こう」
口上を述べた所で、シュテルがソレイユとグレンを膝を付いたまま見上げる。
「アノ?…きちんと喋らなきゃ駄目デスカ?」
エヘッと首を傾げたシュテルにソレイユとグレンは顔を見合わせる。
「ふっ。普段通りに喋るが良い。今更取ってつけたような台詞を聞いても耳に残らぬ。皆も普段通りにして良いぞ」
ソレイユは軽く笑って後ろの椅子に深々と腰掛けた。
「何かそんな気はしてたけどな…」
グレンもヤレヤレと腰に手を置き、首を折った。
「で?お前の望むものは?金か?地位か?名声か?」
低俗の望むトップ3をソレイユが聞く。
それを聞いたシュテルがニッと唇の端を持ち上げた。
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