0人が本棚に入れています
本棚に追加
正輝は真ん中で割って2本にするソーダーアイスを、そのままくわえた。
美樹はその様子を、じっと見つめる。
2本の棒が刺さっているアイスを一人で食べる様子は、なんだか変な感じがした。
美樹の視線を感じて、正輝は一旦アイスから唇を離す。
突然正輝は、アイスをふたつにパキンと割った。
「ほらよ」
「えっ」
「食いたいんだろ?じっと見てたじゃん。」
『でもコレ、今くわえてたよね?』
先っちょが不自然に溶けたアイスを見つめる。
「遠慮すんなって、ほら。」
美樹の戸惑いに気づかないのか、正輝はグイグイとアイスを勧めてくる。
「ったく、溶けちまうだろ?!」
受け取らない、という選択はなさそうね・・・。
美樹は小さくため息をついて、仕方なく受け取った。
ためらいながら、先っちょをかじりだす。
それを見て、フフッと笑いながら正輝は小さく呟いた。
「間接キス、成功・・・」
最初のコメントを投稿しよう!