眠り姫とシェアハウス

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   「あらあら?」  森を抜けると、そこには異様な光景が広がっていた。  城とはまた違う巨大な建造物が立ち並び、奇妙な服装をした人々が歩き、つるつるした四角だったり丸だったりの物体が高速で路上を行きかっている。    見慣れない光景に、姫は心底驚いた。  「ちょっと、そこのあなた」  姫は通行人の一人に声を掛ける。  「ん?」  姫とは明らかに違う服。  見たこともない髪型。  そして首から高価そうな金属の輪を下げている。  「あなた、ここは何と言う国かしら」  「はあ、あんた外人だね。それっぽい恰好してるし。知らずに来たってことは流れ着いた密入国者とか…?まあどうでもいいけど。ここは火ノ本って国だよ」  火ノ本…。やはりコ国ではないのだな。  姫はまたしてもがっかりした。
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