眠り姫とシェアハウス

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   まさか自分が眠っている間に、こんなにも世界が変わるとは。  軽い昼寝の気分で呪いを受けたことを、後悔せざるを得ない。  姫は基本お気楽なのだ。  だから、まあなくなってしまったものは仕方ない、とすぐに納得した。  「ところであなた、私に住む場所を提供して欲しいのですけど、よろしいですか?」  「え、住む場所ないって、やっぱ密入国者じゃん」  青年は少し逡巡していたがすぐに。  「まあいいよ。面白そうだし。うちシェアハウスだから」  「シェア…?」  「ああ、わからないか。色んな人と一緒に住むってこと」  「それなら私も経験あるわ」  姫は城での賑やかな日々を思い出した。  「じゃあどうぞ、ついてきて」  青年も結構なお気楽ものだった。
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