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「ひまりっ!」
鉄柵とともに落ちていく陽葵。
やめろ、やめろやめろやめろっ!!!
とまれ!とまれとまれとまれっ!!!
間に合うはずもなかった。
陽葵の死が頭をよぎる。
そこへ飛び出した2人組の姿。
ひとりは空中で陽葵を抱き抱え、同時に鉄柵をつかみ取りもう一人の方へぶん投げた。
「へぶっ!」
そのまま落下していく...。
もうひとりは陽葵を抱き抱えたまま壁伝いに上手く降りていく。
無事降りきると、陽葵をゆっくりとおろした。
急いで駆け寄ると、陽葵は楽しそうに俺の方へ走ってくる。
「こらっ。勝手にうろちょろするなっていつも言ってるだろ!どれだけまわりの人に迷惑かけたと思ってるんだ!」
俺は陽葵の頭を小突く。
陽葵はハッとしてまわりを見渡す。
教師、生徒たち、たくさんの人が俺達の様子を伺っている。
ようやく自分の状況を把握したようだ。
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