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「...ごめんなさいでした」
陽葵は教師、学生達にに向かって頭を下げる
「お兄ちゃん、ごめんね」
陽葵は少し潤んだ目で俺を見つめる。
は、はふぁ?。可愛いすぎるだろ!!見た?見た?この表情!!さいっこうに可愛い!!もう何やっても許してあげたくなっちゃうぜ!!こんなに可愛い妹を持って俺は幸せだぜぇぇぇぇぇ!!!
...俺は必死ににやけそうになるのを堪えるて一つ咳き込む。
「ま、まあ反省してるなら今回は許してやる」
妹への愛は決して表情に出さず、かっこ良くて優しいパーフェクトな兄貴を見せる。
「シスコン」
ぼそっと呟く聞き捨てならない単語が聞こえた。
「聞こえてますよ、麗子さん」
「...失礼致しました」」
振り返ると陽葵を助けてくれた二人組が並んでいる。女の方は整然としているが、男の顔は真っ赤だ。ずっと女の方を睨んでいる。
「まあ二人とも今回はありがとうございました。正直二人がいなかったらどうなっていたか」
「滅相もありません」
女-八尾麗子は俺に対して頭を下げる。
凛々しい瞳、後ろで短く縛った黒髪ポニーテール。いつも冷静で、表情を変えない麗子さん。スーツ姿がとても似合っていて格好良いが、本人はそのことを気にしているらしい。
「そうっすよ。俺らは暦さんの手足、一言命じて下さればいつでも駆けつけますから。ちなみに俺が手でこいつが足っすから」
男-八尾千人は麗子を指さす。
金色に染まったオールバックは、場所さえ違えばどこぞの組員に見える。鉄柵をぶつけられた鼻先が真っ赤になっている。
麗子、さされた指をつかんで捻る。
「いたいいたいいたいいたい!!」
「誰が足だ」
必死に振りはらった千人、麗子との距離をとる。猫みたいだ。
「てめーさっきはよくもぶつけてくれたな?」
千人は鉄柵を麗子にむかって投げつける。それを余裕でかわす麗子。
「あんたがとろいからでしょ」
「あん?」
「なによ?」
睨み合う2人から火花が散る。
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