始まりは突然に

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退屈だ、もうどれ位生きているだろうか? 暫く前まではこの国は戦ばかりしていたが少し前にそんなことはすっかり無くなったが私のような存在には少し過ごしにくくなってしまった。 「あ、猫ちゃんだこっちおいで~」 人の子どもか…子どもとは無邪気な物だそれだけは昔から変わらないな 「ナァーオ」 ちょうど退屈していたから暫し付き合うか 「よしよし」 暫く好きにさせておくか… 「ユキー帰るわよー」 「はーい、またね猫ちゃん」 「ナァー」 また、退屈をしていたら付き合おう むっ?そちらは確か車が来るのでは無かったか? 「ユキッ止まって?」 「えっ?」 やはりか! 間に合うか? 「シャァッ」ドン!! 「猫!?」 これは…助からんか…まぁ、随分長く生きたこんな最期も悪くはないだろう。 「何で猫が…けどあなたのおかげでユキは助かりました…ありがとう。」 「猫ちゃん、ゴメンね…ごめんなさい…助けてくれてありがとう」 長く生き惰性を貪っていた命で未来ある子を救えたのだから。
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