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ひぃぃ…っ、今1番会いたくない人だよ~!
はっ、ヤバイ!杏が居るんだった!
杏に柳沢先輩を会わせたくない、念のために隠れておこう!
「…律?」
とりあえず隠れるために、俺は慌ててベッドに上がって、目を覚ました杏と自分の姿を毛布で覆い隠した。
毛布の中で杏が「…どうした?」と言ってきて、杏の隣で俺は人差し指を立てて「しーっ!静かにして」と小声でお願いする。
そして耳を澄まして、カーテンの向こう側の会話を聞く。
岡林先生の、呆れた声が先に聞こえた。
「アズキ~、お前はまた校舎に入って来たのか?駄目だって言ってるのに」
「遥香ちゃんがいないと寂しいんだろうなアズキは」
「ありがとう圭也君。アズキは綺麗な顔の男に飛びつくクセがあるから、いっつも君に捕獲してもらっちゃってるね」
「猫にモテるのも悪くないな。
つーか俺の幼馴染の黒猫ちゃんも、俺にもっとメロメロになってくれよ~」
「うわっ!?いきなり抱き付いて来んな離れろっ…、ひぃっ、助けて遥香さん!」
「こらこら圭也君、戒君が嫌がってるからやめなさい」
カーテンの向こう側は騒がしい。
俺は柳沢先輩に呆れながら、思う。
…柳沢先輩って、誰にでもスキンシップ激しいんだ。
まぁ女子は大喜びだろうね。
でもだからって、キスはしないだろうなぁ。
先輩が俺のことを好きって、あれ、本気なのかな…。でも本気じゃなきゃ、ベロチューとかしないよね。
うっ…あの時のキスを思い出しちゃったよ。あ~もう!先輩が好きな相手がなんで俺なワケ!?
てか早く出てけよー!
「…あれ。なぁ遥香ちゃん、そこのベッドに誰か居るのか?」
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