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後ろから嫌な人の明るい声が聞こえた。
ビクッと震えて足を止めてから、青ざめて振り返る。
「げっ…圭也先輩…っ、わわ、こっち来ないでよ!」
「あはは律斗~!って、何で逃げるんだ!?」
俺はすぐさまダッシュして逃げた。
でも後ろから圭也先輩が追いかけて来る。
しつこいよ、もー!
圭也先輩が1番厄介だよ!!
逃げれそうな場所を探して、まだ見慣れてない廊下をぐるりと見回す。
そしたら前方の何かの教室のドアが、ちょっと開いていた。
何にも考えずに、そこへ飛び込んでドアを閉める。
「はぁっ…はぁっ…」
つ、疲れた…。
体力ないのに何で無駄に走らなきゃならないんだろ。
「うわ~…暗い…」
カーテンが閉ざされた薄暗くて狭い部屋に視線を巡らせる。
ごちゃごちゃ物が置かれているし、資料室っぽい部屋なのかな。
とにかくしばらく隠れて圭也先輩が居なくなったのを確認してから、ここから出ーー
ガラッ
「みーつけた、律斗」
「…!?」
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