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にっこり…いや、にやりだね。
にやりと笑った圭也先輩がゆっくりと中に入って来ると、そのままドアを閉めた。
再び部屋が薄暗闇になり、そんな部屋には俺と圭也先輩の2人きり。
嫌な予感…。
「な、なに?圭也先輩」
強気になって圭也先輩を睨みつけると、圭也先輩はブレザーからスマホを取り出す。
「あ~ほら。今朝LINE教えてくれって言っただろ?だから教えてもらおうと思ってな」
「あ~ごめんね先輩。俺LINEやってないんだぁ」
「またまたぁ、嘘は良くないぞ律斗~」
お互いにニコニコと睨み合って、圭也先輩がゆっくりと距離を縮めて来る。
俺は顔を強張らせながら後ろに後ずさった、でも長机に背中が当たってしまう。
何とか隙を見て、逃げないと…。
「…あ~もう分かったよ圭也先輩。LINEくらい教えてあげるからさ」
「お、ホントか?」
「うん」
作った笑顔でこくんと頷く俺に、圭也先輩はぱあっと明るくなる。
俺は顔をそらして悪い顔でにやりと笑った。
よしよし、あとは…。
「あ、しまった…!スマホ教室に置いてきちゃったよ。ゴメンね先輩?とりあえずここから出てからーー…ひっ、な、なに!?」
「ん~」
いつの間にか、圭也先輩が目の前まで来ていた。
慌てて目の前の圭也先輩から逃げようとしたら、長机に両手をついた圭也先輩の腕の中に閉じ込められて動けなくなる。
うわーピンチ!?
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