第2話「お人形と笑顔の練習。」

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「ちょっ圭也先輩…っ、顔が近い!」 「旧校舎でさ、初めてキスしただろ」 「はぁ?」 顔の前に手をやってストップさせていた俺は、圭也先輩をちらっと見て顔をしかめた。 圭也先輩がにっこりと笑う。 「キスするか、律斗」 「ぜっったいに嫌だ!!」 青ざめてぐいぐい圭也先輩の胸元を押した。 でも圭也先輩はビクともしなくて、両手首を掴まれたかと思うとグッと顔が近づいてくる。 「ぅぁあムリ!」 「ちょ…そんな嫌がられると傷つくぞ律斗」 「嫌がるよ!男とキスなんかしたくないし!」 「ふぅん、相手が杏君でも?」 すぐ目の前の圭也先輩の顔から、思いっきり顔をそらしていた俺はその言葉にぴくっと反応する。 …杏とキスかぁ。 できるならしたい、かも。 うっ、でも杏が穢れそうでなんかヤダ。 俺はキッと目の前の圭也先輩を睨みつける。 「しないよ!杏が穢れちゃうじゃん!」 「またそれか…。あのなぁ、杏君も人間の男だぞ?キスだってするし、キス以上の経験だってこれからどんどん増えて、」 「うわぁあ先輩の馬鹿!」 圭也先輩も杏に悪影響だ! 変なこと杏に吹き込ませないように、圭也先輩を杏に近づけちゃ駄目だ! ググッと手首に力をいれて必死に逃げようとする俺を、圭也先輩は涼しい顔をして見ている。 「もう~律斗はかわいいなぁ。まだ15歳だもんな~」 「地獄に堕ちろ」 「あ~…口は可愛くないな」 ちゅっと、圭也先輩の唇が首筋に落とされて、ぞわっと鳥肌が立った。 首筋をそのまま唇で挟むようにはむはむと噛まれて、くすぐったくて身を捩る。 「ひっ、ぁ…先輩っ…くすぐったい…!」
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