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「ちょっ圭也先輩…っ、顔が近い!」
「旧校舎でさ、初めてキスしただろ」
「はぁ?」
顔の前に手をやってストップさせていた俺は、圭也先輩をちらっと見て顔をしかめた。
圭也先輩がにっこりと笑う。
「キスするか、律斗」
「ぜっったいに嫌だ!!」
青ざめてぐいぐい圭也先輩の胸元を押した。
でも圭也先輩はビクともしなくて、両手首を掴まれたかと思うとグッと顔が近づいてくる。
「ぅぁあムリ!」
「ちょ…そんな嫌がられると傷つくぞ律斗」
「嫌がるよ!男とキスなんかしたくないし!」
「ふぅん、相手が杏君でも?」
すぐ目の前の圭也先輩の顔から、思いっきり顔をそらしていた俺はその言葉にぴくっと反応する。
…杏とキスかぁ。
できるならしたい、かも。
うっ、でも杏が穢れそうでなんかヤダ。
俺はキッと目の前の圭也先輩を睨みつける。
「しないよ!杏が穢れちゃうじゃん!」
「またそれか…。あのなぁ、杏君も人間の男だぞ?キスだってするし、キス以上の経験だってこれからどんどん増えて、」
「うわぁあ先輩の馬鹿!」
圭也先輩も杏に悪影響だ!
変なこと杏に吹き込ませないように、圭也先輩を杏に近づけちゃ駄目だ!
ググッと手首に力をいれて必死に逃げようとする俺を、圭也先輩は涼しい顔をして見ている。
「もう~律斗はかわいいなぁ。まだ15歳だもんな~」
「地獄に堕ちろ」
「あ~…口は可愛くないな」
ちゅっと、圭也先輩の唇が首筋に落とされて、ぞわっと鳥肌が立った。
首筋をそのまま唇で挟むようにはむはむと噛まれて、くすぐったくて身を捩る。
「ひっ、ぁ…先輩っ…くすぐったい…!」
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