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俺が嫌がっても圭也先輩は無視して、小さなキスをあちこちに落とす。
額にちゅっとキスされた頃には、俺の上半身は長机の上に仰向けで押し倒されていた。
「~っ、先輩!いい加減にしないとLINE教えないよ!?」
「赤くなって怒る律斗もかわいいな~」
…駄目だこの変態ドM、話が通じない。
足をバタバタさせて暴れていた俺は、あることに気づく。
は…!もしかして俺が嫌がって逃げるから、圭也先輩が調子に乗るのかな!?
だったら俺からキスをすれば、圭也先輩はびっくりして固まって、隙ができて逃げれるかも!
「…っでもキスは嫌だ!」
「必死だなぁ律斗」
「当たり前じゃん!もうっ…離せってば変態!」
「分かった分かった」
涙目になる俺に、圭也先輩が苦笑いする。
でもまた顔を近づけてきて、軽くちゅっと唇にキスを落とされた。
ぶぁっと、俺の顔が赤くなる。
「うぅ…最悪だ…」
「軽くだろ~、前みたいなベロチューは我慢してやったんだからな」
「うるさい」
自由になった手でゴシゴシと口元を拭って、圭也先輩を睨み上げる。
圭也先輩はまだ俺を腕の中に閉じ込めたまま、ニコニコして退いてくれない。
「先輩邪魔だよ!退けってば!」
「なら今すぐLINE教えろ」
「……」
俺は溜息をついて、ブレザーのポケットからスマホを取り出す。
そのまま無理やりLINEを交換した。
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