第2話「お人形と笑顔の練習。」

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俺が嫌がっても圭也先輩は無視して、小さなキスをあちこちに落とす。 額にちゅっとキスされた頃には、俺の上半身は長机の上に仰向けで押し倒されていた。 「~っ、先輩!いい加減にしないとLINE教えないよ!?」 「赤くなって怒る律斗もかわいいな~」 …駄目だこの変態ドM、話が通じない。 足をバタバタさせて暴れていた俺は、あることに気づく。 は…!もしかして俺が嫌がって逃げるから、圭也先輩が調子に乗るのかな!? だったら俺からキスをすれば、圭也先輩はびっくりして固まって、隙ができて逃げれるかも! 「…っでもキスは嫌だ!」 「必死だなぁ律斗」 「当たり前じゃん!もうっ…離せってば変態!」 「分かった分かった」 涙目になる俺に、圭也先輩が苦笑いする。 でもまた顔を近づけてきて、軽くちゅっと唇にキスを落とされた。 ぶぁっと、俺の顔が赤くなる。 「うぅ…最悪だ…」 「軽くだろ~、前みたいなベロチューは我慢してやったんだからな」 「うるさい」 自由になった手でゴシゴシと口元を拭って、圭也先輩を睨み上げる。 圭也先輩はまだ俺を腕の中に閉じ込めたまま、ニコニコして退いてくれない。 「先輩邪魔だよ!退けってば!」 「なら今すぐLINE教えろ」 「……」 俺は溜息をついて、ブレザーのポケットからスマホを取り出す。 そのまま無理やりLINEを交換した。
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