19人が本棚に入れています
本棚に追加
思い返せばいつもそうだった。
この二年のうち、一年は恋愛なんてもう辞めようと思った。
でも一年経った頃に、猛アプローチを受けた私は、それをきっかけに恋愛をしようと思い始めたんだ。
恋愛を始める時に、私は慶太の存在を必ず明かす。
慶太の私物がある事を承知の上で、アパートまで来た人も居た。
基本的には「忘れさせてあげたい」と、優しい気持ちで接してくれた人もいたけれど、時には「どうせ他の男が好きなんだから」と、適当な気持ちで遊び半分に付き合ってくる人もいる。
新しい恋愛をしてみようと思い始めたのは、小さすぎる一歩なんだろうか。
一気に物を捨ててみたら、何か変わるんだろうか。
私がこの一年で恋愛をしてきた人たちとは、仲良くやってきたつもりだ。
笑顔だって絶やさなかったはずだし、求められば極力答えるようにしてきた。
私の中にも「大事にしたい」「期待に応えたい」という本能も芽生えた。
好きだという気持ちだって、きちんとあった。
だけど、慶太の存在が私の恋愛をダメにする。
いや、私自身をダメにする。
だからいつも、私の恋愛はうまくいかないんだ。
最初のコメントを投稿しよう!