第1章
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涼やかな風鈴の音を聴く。 夏祭りの夜、遠くに花火の影。 私は、彼から乱暴に差し出されたアイスを頬張った。 「…泣くなよ」 「…うるさい」 仕方ないな、という風に彼は私に背を向ける。 「っく、ひっく」 惨めなほど、泣き声が漏れてしまう。 メロンソーダ味のアイスがしょっぱくなった。
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