第1章

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不意に、彼が言った。 「そんなに悔しいのか、あいつに振られたこと」 「…どうせ身の程知らずだって言うんでしょ」 いつものようにからかわれたんだと思って、歯ぎしりしながら毒付いた。 「…くっ」 漏れた咽び声は、私のものじゃなかった。 「俺は、今のお前と同じ悔しさに溺れてる」 「どういうこと…?」 「…そんなに好きなんだな、あいつのこと」 涙が、止まった。
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