2.道のりは辛く

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朝から昼までに10店舗回り、会社に戻り、事務仕事を片付け、再び店舗回り。 カナさんのいる店舗に着いたのは彼女が片付け終わり、挨拶も済ませ、今まさに帰ろうとしている所。 「カナさん」 こっちを向く彼女は何だか不機嫌だった。 「お疲れ様です」 そのまますれ違って行こうとするので 、慌てて腕を掴まえる。 まあ当たり前だが、彼女が体をびくりとさせ、 「何するんですか!」 でも怯んでいられない。 「ちょっとだけ時間下さい、すぐ戻りますから」 早口で彼女に告げ、事務所に行き店長と今日のお礼、明日からの納品について打ち合わせた後、外に出た……もう6時。既に三十分以上経っていた。 ので、諦めていた。 のに。 待っていてくれた。 俯きがちに倉庫の壁にもたれて。 夕日が彼女に影をつくっているから表情は解らない。 舞い上がりそうな気持ちを抑え、駆け足で彼女のもとに行く。 足音にビックリしたように俺をみるカナさん。 彼女の腕を引く。 「すみません、お待たせしました。行きましょう」 「はあっ?」 すっとんきょうな声を出す彼女。 外見とのギャップが堪らない。
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