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A「ほらよ、くれてやらあ」
B「えっ、ほんとに?」
A「(こっくり頷いて)そのかわり……」
B「(?)」
A「……こ、怖い話すんのやめねぇ?何か出そうで怖ぇんだけど(鳥肌立ってブルブルしてる)」
B「えー、ここからがいい所なんですよ、先輩。
それでね、ちょうどこの後ろ辺りから女の人の霊が………」
A「(ぴた、と背中に冷たい手みたいなものが触れる)うわああああ!!」
B「先輩、先輩。それ私の手。
っていうかそんなに怖がらないでくださいよぅ。
これで会えるの最後かもしれないのに、傷つきます~」
A「お前がビビらせるからだろ!
つーか、最後って何、どっか引っ越すのか」
B「(切なそうに笑う)…私、もー死んでるんですよ。ほら、(Aの差し出したアイスに触れようとすると、スーッと手が突き抜けていく)」
A「…………」
B「先輩と会う少し前の事だから、そろそろ先輩の所にも連絡が来るんじゃないかなぁ。
…先輩が視える人で良かったです。
私、最後にもう一回だけ先輩と楽しくおしゃべりしたいなぁって思ってたから」
A「…………(ケータイがプルルと鳴る)」
B「ほらね。…そろそろお別れです。
アイス、食べられなかったけどごちそうさまでした。
それから……気づいてなかったかもしれないけど、私ずっと…先輩の事好きだったんですよ───(すうっと消える)」
A「待っ………。(ぽたん、ぽたんと溶けたアイスが地面に落ちる)
…………そりゃ、俺がお前に言いたかったセリフだよ……」
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