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日仏ハーフだから、と言うような理由では済まされないし、お嬢様育ちだから、と言う理由も同様だろう。
でも…大切でかけがえのない、大事な家族だ。母も父・瑪瑙も他家に嫁いでしまった姉・真珠も〝血族〟なのだから。
-御影学院 理事長室前-
そんな微妙な雰囲気の中、漸く理事長室に辿り着いた。我知らず、気疲れし『ホッ』と息を吐いた。
帝
「ここが、理事長室です。では、私は仕事がありますので失礼しますが………
いずれ、貴方とは、ゆっくり話がしたいですね。ではまた玖堂君。」
黒い笑顔で、そう言って帝は去っていった。独り残された翡翠は〝出来れば、もう二度と会いたくない〟と思ってしまった。
翡翠
(うっわ………何、あのダークスマイル。超怖ぇ………全力で拒否りますよ。ええ、ホントに!)
勿論、口には出せないので、心中だけで呟く。そして『ハッ』と我に返る。こんなことをしてる場合ではなかった。
深呼吸してから、意を決して〝理事長室〟と書かれた、金のプレートが貼られた扉をノックして声を掛けた。
翡翠
「転入生の『玖堂 翡翠』です。」
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